UAE離脱のOPECプラス、結束維持で6月増産決定

UAEがOPECを離脱した後初めての会合で、有志7カ国が6月の原油増産を決定。ホルムズ海峡の不安要因が重なり、増産は“計画上”の色合いも。
原油市場の思惑が交錯する中、UAE離脱後のOPECプラスで「結束」を優先する判断が示された。
主要産油国でつくるOPECプラスの有志7カ国は3日、オンライン会合を開き、6月に日量18万8千バレルの原油を増産することで合意した。世界の石油需要の約0.2%に相当する規模で、UAEがOPECを離脱してから初めての会合となる。
今回の増産幅は、離脱したUAEの割り当て分を除けば、4月に決めた5月の増加幅と同水準だという。会合後の声明では、各国が市場動向を継続的に注視・評価するとし、UAEの離脱については特段の言及がなかった。
この“言及しない”姿勢は、分裂を広げないための配慮にも見えるが、背景の構図はむしろ複雑になっている。
一方で増産を語るうえでは、供給の制約が重くのしかかる。世界の石油供給量の約2割が通過するとされるホルムズ海峡が、イランによって事実上封鎖されている状況が続いており、7カ国のうちサウジアラビアやイラク、クウェートは減産を余儀なくされている。
さらにOPEC非加盟の有志国も、事情は同じではない。ロシアはウクライナによるドローン攻撃で生産設備への被害が出ており、増産計画との整合性が問われやすい環境だ。
こうした事情が重なり、増産決定は3カ月連続とはいえ、「計画上」の意味合いが強いとの見方も出ている。ホルムズ海峡の通航が再開されても、供給の正常化には時間がかかる可能性があるという見通しだ。
つまり、数字だけを追うと整うはずの供給が、現実には輸送や稼働の制約で揺れうる。市場が敏感に反応しやすい理由がそこにある。
今回の判断が“結束の維持”として受け止められる一方、原油価格の高止まりが続くような局面では、各国の思惑がさらに表面化する恐れもある。UAE離脱後のOPECプラスが、どこまで調整の主導権を保てるのか注目される。